健保本人負担3割に

来年度めど 厚労省方針

 厚生労働省は五日、サラリーマンが病院や医院にかかった際に窓口で支払う医療費の本人負担率について、現行の二割を三割に引き上げる方針を決めた。先に固めた高齢者医療制度の対象年齢引き上げと並ぶ医療制度改革の柱として、次期通常国会に関連法案を提出。二〇〇二年度の実現を目指す。相次ぐ負担増には国民の反発が必至で、与党協議も難航しそうだ。

 サラリーマンの医療保険(被用者保険)には、大企業の従業員が加入する健康保険組合、中小企業を対象とした政府管掌健康保険、公務員らの共済組合などがあり、加入者は家族も含め八千六十一万人(九九年三月末現在)。医療費は、半数の約四千万人を占めるサラリーマン本人が通院、入院とも二割、家族は通院について三割、入院は二割を負担している。

 この本人が実際に医療機関の窓口で支払ったのは、九九年度一年間で総額約一兆円、一人当たり二万五千円程度。負担率を二割から三割に引き上げると、単純計算で総額五千億円、一人当たり年間一万二千五百円ほどの負担増となる。ただ、現行では一カ月におよそ六万三千六百円を超える患者の出費については払い戻しが行われており、負担率だけを引き上げると、払い戻しが多くなることも予想される。

 今回の負担率引き上げは、組合健保で五千億円、政管健保で六千億円にも上る赤字(〇一年度予測)を緩和し、各医療保険を破たんの危機から救うことが狙い。高齢者医療制度(上限付き原則一割負担)の対象を七十歳から七十五歳に引き上げ、高齢世代に負担増を強いるのと同時に現役世代にも「痛み」を求める。また、国民健康保険に加入する自営業者などと負担割合(本人、家族とも三割)をそろえることにした。

 厚生労働省は、高齢者医療制度の一層の見直し策として、(1)月額三千−五千円の負担上限を引き上げる(2)高額所得者に限り一割負担を現役世代と同様の負担率に引き上げる−といった負担の“追い打ち”も検討。今後は、総医療費の抑制策とともに、低所得者対策などが焦点となりそうだ。

2001.09.06