<補正予算>雇用対策に1兆円 政府が編成方針固める

 政府は28日、7月の完全失業率が史上最悪の5%台となったことを受け、雇用対策を柱とした補正予算を編成する方針を固めた。雇用保険の増額や失業者の再就職支援などで1兆円規模の雇用対策を講じる考え。9月7日に発表される今年第2四半期(4〜6月)の国内総生産(GDP)がマイナス成長となったのを確認したうえで、小泉純一郎首相が正式表明、9月末に召集する臨時国会に補正予算案を提出して成立を図る。

 小泉内閣は来年度の新規国債発行額を30兆円以下とする大方針を掲げており、小泉首相は今年度もその方針を守る意向を示している。01年度は当初予算で国債を28兆3000億円発行しているため、補正予算で発行できる国債は1兆7000億円。財務省はこの上限いっぱいまで国債を発行する考えで、当初予算で計上したものの使っていない公共事業予備費3000億円、00年度の剰余金を財源に約2兆1000億円規模の補正予算を編成する。

 ただ、歳出面では、老人医療費などの伸びを背景に、社会保障関係費など義務的経費の追加的な財政需要額が1兆円規模に達する見込み。さらに、景気の後退を受けて税収減が見込まれる。このため、新たな雇用対策は数百億円規模の雇用保険の給付増額や失業者に対する職業訓練の強化、すでに設定されている約2000億円の再就職支援制度の活用などで計1兆円規模になる。

 既存の再就職支援制度は、緊急地域雇用特別交付金事業、新規・成長分野雇用創出特別奨励金、緊急雇用創出特別奨励金の3基金で、これらの適用条件を緩和することなどで雇用対策を充実させる考えだ。

 また、雇用情勢が悪化した場合に再就職者を雇用する企業を支援する特定求職者雇用開発助成金の弾力的な運用も検討する。 【会川晴之】(毎日新聞)
[2001年8月29日6時1分更新]


政府、雇用対策を中心に補正予算案…臨時国会で

 政府は27日、7月の完全失業率が過去最悪の5%に達する見通しとなったことを受けて、産業構造改革・雇用対策本部(本部長・小泉首相)が9月中にまとめる総合的な雇用対策を柱とする2001年度補正予算案を編成し、9月下旬召集予定の臨時国会で成立を図る方針を固めた。これに関連し、小泉首相は同日、連合の鷲尾悦也会長との「政労会見」で、「構造改革を着実に進めることが重要で、その際は雇用対策をしっかりやっていく」と述べ、雇用のセーフティーネット(安全網)確保に万全を期す考えを表明した。

 補正予算案の編成は、構造改革の「痛み」である失業者が今後も増加を続けた場合、国民の批判が高まり、「小泉改革」推進の大きな足かせになりかねないと判断したためだ。

 予算規模は、9月上旬に発表される4―6月期の国内総生産(GDP)の数値などを見極めたうえで最終判断する。財源には、前年度予算の剰余金2381億円や今年度当初予算の公共事業等予備費3000億円のほか、建設国債の発行を検討している。

 自民党の山崎幹事長は26日のNHKの番組で、今年度の国債発行を30兆円以内に抑制することを前提に、補正予算の財源に1兆7000億円の国債発行を充てることは可能だとの考えを示している。これを合わせると最大2兆2、3000億円規携の補正が可能だ。

 政府の産業構造改革・雇用対策本部は、6月に公表した〈1〉新市場、新産業育成による雇用創出〈2〉人材育成・能力開発の推進――など4分野の「中間とりまとめ」に基づき、医療・福祉業界やベンチャー分野の規制緩和や、失業者の職業訓練・教育策の拡充、労働者派遣制度の見直しなどの具体的な雇用対策を来月中に策定する予定だ。

 一方、小泉首相は、1年10か月ぶりに開いた27日の政労会見で、「今までの政権は思い切った政策を打ち出しても実行できなかったが、(小泉内閣は)実行できる政権になりたい」と述べ、抜本的改革に取り組む決意を強調した。

 鷲尾氏は「失業率5%台の衝撃度はこれまでと比べようもない。危機的状況を背負って雇用対策を講じることが必要だ」と指摘した。(読売新聞)

                                                           [2001年8月28日3時8分更新]


失業率5%、「由々しい事態」=連合

 連合の笹森清事務局長は23日午後の記者会見で、7月の完全失業率(季節調整値)が5.0%と初めて5%台に乗ることが明らかになったことについて「決定的に由々しい事態だ」と指摘した。その上で、「時限立法の暫定措置法を作り、失業率を4%以下に下げることに焦点を当てた対策を取るべきではないか」と述べ、失業率を3%台に引き下げるためあらゆる措置を取るべきだとの考えを示した。 (時事通信)
[2001年8月23日20時30分更新


首相「改革で失業やむなし」

 小泉首相は23日、静養先の神奈川県箱根町のホテルで記者団に対し、7月の完全失業率が過去最悪の5%となることが明らかになったことに関し、「これから改革していくうちに、ある程度失業者が増えることはやむを得ない」と述べ、構造改革の進展に伴う失業増はやむを得ないとの認識を示した。

 そのうえで、「そのためにも雇用対策をしっかりしたものにしていく。それが大事だ」とし、失業者の再就職支援などの雇用対策に万全を期す考えを強調した。

 政府・与党内でデフレ対策として導入論が出ているインフレ目標政策については、「難しい。目標を設定しても、いざインフレになると制御できなくなる。経済は生き物だから政府の思うようにいかない」と否定的な見解を明らかにした。

 また、自らの靖国神社参拝に中国、韓国が反発していることについて、「世論調査で70%以上が参拝を支持してくれている。決して戦争を正当化したり、軍国主義復活を考えているのではない。難しいが、中国、韓国の方々に日本国民の純粋な気持ちをわかってもらう努力をしなければいけない」と述べ、両国との関係改善に努める考えを示した。(読売新聞)
[2001年8月23日20時11分更新]


失業者増、「やむを得ない」=インフレ目標政策に否定的−小泉首相

 小泉純一郎首相は23日午後、7月の完全失業率(季節調整値)が過去最悪の5.0%と、大台に乗るとの見通しについて「(構造)改革していくうちに、ある程度失業者が増えていくのはやむを得ない」との認識を示した。その上で「そのために雇用対策をしっかりやらなければならない」と述べ、構造改革の推進に伴い悪化が懸念される失業や倒産などの“痛み”への対策に全力を挙げる考えを強調した。静養先の神奈川県箱根町で記者団の質問に答えた。
 また首相は、政府・与党内で物価上昇率の具体的な目標を設定して金融政策を行うインフレ目標政策を求める声が出ていることに関して「金融(政策)もゼロ金利で打つ手は限られている。しかしインフレターゲットは難しい。制御できないから」と述べ、同政策の導入には否定的な見解を示した。 (時事通信)
[2001年8月23日17時4分更新]


7月の完全失業率、過去最悪の5%

 7月の完全失業率(季節調整値)が過去最悪の5・0%に達することが、23日、明らかになった。失業率が5%台になるのは、1953年の調査開始以来初めて。小泉首相が進める不良債権処理などの構造改革に伴い、今後、建設業などを中心に失業者が増えるのは必至と見られており、政府は、秋の臨時国会で補正予算の編成も含めた雇用対策を迫られそうだ。

 完全失業率は、5月、6月と2か月連続で過去最悪水準の4・9%となっていたが、7月はさらに0・1ポイント悪化。7月の完全失業者数は約330万人で、前年同月比で23万人増える見通し。

 IT(情報技術)関連産業の不振などで、雇用情勢は一段と厳しさを増していることを裏付けた。小泉首相は、来月上旬に発表される4―6月期の実質国内総生産(GDP)成長率などを踏まえ、補正予算を編成する可能性を示唆しているが、今後、予算規模や時期などが焦点となる見通しだ。(読売新聞)
[2001年8月23日15時51分更新]


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